【事例研究】みずほPayPayドーム福岡 — プロ野球初の「連名」命名権が開いた可能性
2024年4月25日、福岡ソフトバンクホークスの本拠地が「みずほPayPayドーム福岡」となりました。みずほフィナンシャルグループとPayPayの2社が連名で命名権を持つのは、プロ野球本拠地として初の事例です。「1施設に1社」という命名権の暗黙の前提を崩したこの契約は、施設側・企業側の双方に新しい選択肢を示しました。
基本情報
| 施設 | 福岡ソフトバンクホークス本拠地(福岡県福岡市) |
|---|---|
| 現在の名称 | みずほPayPayドーム福岡(2024年4月25日から) |
| 命名企業 | 株式会社みずほフィナンシャルグループ + PayPay株式会社(連名) |
| 特記事項 | プロ野球本拠地として初の連名ネーミングライツ |
| 名称の変遷 | 2005年2月「福岡 Yahoo! JAPANドーム」→2013年2月「福岡 ヤフオク!ドーム」→2020年2月「福岡PayPayドーム」→2024年4月「みずほPayPayドーム福岡」 |
4度の改称が示すもの
この球場は2005年にソフトバンクがホークスの親会社になったことを機に、子会社のヤフーが命名権を取得して「福岡 Yahoo! JAPANドーム」となりました。以降、グループが最も訴求したい事業ブランドに合わせて名称が更新されていきます。
2013年の「ヤフオク!ドーム」はYahoo!オークション、2020年の「PayPayドーム」はキャッシュレス決済サービス、それぞれの事業拡大期に合わせた改称です。つまりこの球場名は、ソフトバンクグループの事業戦略のショーウィンドウとして機能してきました。この構造は楽天モバイルパーク宮城の事例とも共通します。
連名方式が持つ3つの意味
- 施設側は収益機会を増やせる — 1社では届かない金額を2社で分担できれば、施設側の受け取る総額を引き上げられる可能性があります。単独では手が出ない大型施設に、複数社の共同で参入する道が開けます。
- 企業側は投資額を抑えられる — 大型施設の命名権は年数億円規模になることも珍しくありません。連名であれば1社あたりの負担を抑えつつ、大型施設の露出を得られます。
- 異業種の組み合わせで相乗効果が狙える — みずほ(金融)とPayPay(決済)のように、事業領域が隣接する企業同士であれば、命名権を接点にした事業連携も視野に入ります。
一方で注意点もあります。名称が長くなること、両社のブランドの見せ方をどう配分するか(どちらを先に置くか)、契約解除時の取り扱いなど、単独契約にはない調整が必要です。
施設側・企業側が学べること
施設運営者にとって: 「1社に絞らなければならない」という前提を外すと、募集の設計が変わります。単独では予算が届かない企業でも、パートナーを組めば参加できる可能性があります。募集要項の段階で連名を許容するかどうかを検討しておくと、応募の裾野が広がります。
企業にとって: 「大型施設は自社の予算では無理」と諦める前に、共同での取得を検討する余地があります。取引先やグループ会社、事業上の提携先と組む形であれば、話を進めやすいでしょう。
また、施設内の別区画に別企業が命名するサブネーミングと組み合わせれば、1つの施設から複数の収益源を設計できます。契約設計上の留意点は契約書チェックリストをご参照ください。
あなたの施設・企業に置き換えると
連名方式は大型施設に限った話ではありません。地域の体育館や公園でも、たとえば地元の同業組合や商店会が複数社で共同取得する形は成立し得ます。1社あたりの負担が年間数万円〜数十万円になれば、参加のハードルは大きく下がります。
「単独では予算が足りない」「対外的に1社だけが目立つのは避けたい」という状況では、連名は有効な選択肢です。施設側との調整を含めて、ネーミングノートがご相談を承ります。
よくある質問
連名の命名権は制度上認められているのですか?
施設側の募集要項と契約内容次第です。禁じられているわけではなく、みずほPayPayドーム福岡が先例となりました。
連名だと看板はどう表示されるのですか?
契約で取り決めます。名称の並び順、看板の配分などが交渉事項になります。
3社以上でも可能ですか?
理論上は可能ですが、名称が長くなりすぎると愛称としての定着が難しくなります。実務的には2社が現実的です。
自社も共同取得を検討したいのですが。
無料相談で、パートナー候補の考え方や施設側との調整方法をご案内します。
共同取得のご相談も承ります
「単独では予算が届かないが、共同なら検討したい」というご相談も無料で承っています。パートナーの組み方や施設側との調整方法をご案内します。


