メタバース・デジタル空間の命名権、実際に何が起きているか — eスポーツ大会の実例から読み解く現在地

メタバース・デジタル空間のネーミングライツ市場はどうなる?では今後の展望を扱いましたが、今回は「すでに実際に動いている実例」を確認します。メタバース空間そのものの命名権売買はまだ黎明期ですが、その手前にある「デジタルイベントの冠スポンサー」はすでに実例が積み上がっています。

すでに実現している「デジタル冠スポンサー」

日本国内では、eスポーツ大会のタイトル(大会名そのもの)に企業名を冠する形が先行して定着しています。高校生向けeスポーツ大会「STAGE:0」は2019年からコカ・コーラがタイトルスポンサーを継続しており、2025年大会には全国から延べ8,293名の高校生が参加しました。国内最大級のeスポーツイベント「RAGE」でも、「RAGE 2019 Winter powered by SHARP」「RAGE Shadowverse 2020 Spring GRAND FINALS powered by SHARP」のように、シャープが大会名に「powered by」の形で名前を連ねた実例があります。

空間そのものを冠する動きも始まっている

2020年には、RAGEの運営元がeスポーツ観戦向けのVR施設「V-RAGE」を立ち上げ、クラスター社のバーチャルイベントプラットフォームを用いてeスポーツ観戦体験を提供しました。物理施設の命名権が「スタジアムに企業名を付ける」ものだとすれば、V-RAGEは「観戦体験の場そのもの」をブランド化した事例で、今後のメタバース空間命名権の原型と位置づけられます。

物理施設とデジタル空間、何が違うのか

観点物理施設の命名権デジタル空間・イベントの冠
露出面看板・建物名・館内サイン大会名・配信画面・空間内表示
効果測定来場者数・利用者数(推計含む)視聴数・同時接続数・滞在時間など正確に計測しやすい
契約期間の考え方3〜10年など複数年が中心単発イベント〜シーズン単位が中心、複数年契約は今後の課題
地理的制約施設の所在地域に限定されやすい全国・海外からもアクセス可能

現時点で企業が検討すべきこと

  • 「大会・イベントの冠」から始めるのが現実的 — メタバース空間そのものの命名権市場はまだ相場が固まっていないため、まずはeスポーツ大会のタイトルパートナーのような実績のある形態から着手しやすい
  • 計測指標を契約前に明確にする — 視聴数・エンゲージメント率など、物理施設にはない精緻なデータが取得できる強みを活かす設計にする
  • 若年層リーチという目的を明確にする — STAGE:0やRAGEの事例が示す通り、主なリーチ層は10〜20代のデジタルネイティブ層

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当サイトでもメタバース・オンラインイベントのステージ命名権の案件をご紹介しています。デジタル領域の命名権にご関心のある企業様はお気軽にご相談ください

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