【事例研究】昇格で命名権料が上がる — 町田GIONスタジアムとフクダ電子アリーナの契約更新

スタジアムの命名権料は、契約したときの金額のまま続くとは限りません。クラブが上のリーグに昇格すれば、テレビ中継や報道での露出が増え、名前の価値も上がります。2026年に更新された2つのスタジアムの契約には、この「成績と金額の連動」がはっきり表れています。

町田GIONスタジアム(FC町田ゼルビア)

施設町田市立陸上競技場
パートナーギオン
前契約2020年1月〜2026年12月(7年間)。年1,700万円で始まり、2024年から年3,000万円(税別)に増額
新契約2027年1月〜2034年6月(7年6か月)。年3,600万円(税別)

町田は2024年にJ1へ昇格しました。同じ年に命名権料が年1,700万円から3,000万円に上がり、2027年からの新契約ではさらに3,600万円になります。契約期間の途中で金額を見直している点が特徴です。

フクダ電子アリーナ(ジェフユナイテッド千葉)

施設千葉市蘇我球技場
パートナーフクダ電子
前契約2021年4月〜2026年3月。年2,500万円(税別)。J1昇格時は年5,000万円とする条項付き
新契約2026年4月〜2031年3月。年5,000万円(税別)

前の契約に「J1に昇格したら倍額」という条項が最初から入っていました。昇格するかどうか分からない段階で、上がった場合の金額を先に決めておく方法です。

そのほか2026年に更新されたスタジアム

スタジアム前契約新契約
ロートフィールド奈良(奈良クラブ)年1,050万円(税込)年1,800万円(税込)・10年
ニッパツ三ツ沢球技場(横浜FC)年4,000万円年4,000万円・5年
レモンガススタジアム平塚(湘南ベルマーレ)年2,021万円(税込)年2,021万円(税込)・5年6か月
JITリサイクルインクスタジアム(ヴァンフォーレ甲府)年2,000万円(税別)年2,000万円(税別)・3年

金額はQoly「2026年、ネーミングライツ契約が期限を迎える12のJリーグスタジアム」による(各自治体・クラブの発表をまとめた記事)。奈良は金額が7割増え、契約期間も10年に延びています。据え置きで更新した施設も多く、上がるか据え置くかはクラブの状況次第です。

連動させる方法は2つある

  • 条項で先に決める(フクダ電子アリーナ型):「昇格したら年○万円」と契約書に書いておく。双方が将来の金額を見通せる
  • 途中で協議して改定する(町田型):契約期間中でも、状況が変わったら金額を見直す。柔軟だが、協議がまとまらないリスクがある

この事例から学べること

  • 売る側:チームの成績や来場者数で価値が変わる施設は、最初の契約に見直し条項を入れておくと、価値が上がったときに取りこぼさない
  • 買う側:昇格前の安い時期に契約し、上がったときの上限額を条項で決めておけば、予算の見通しを保ったまま露出の増加を取れる
  • 降格の場合:上がる条項だけでなく、下がった場合の扱いも決めておくと、更新交渉でもめにくい

自社や自施設に当てはめるとどうなるかは、予算シミュレーターで相場を確認するか、お問い合わせからご相談ください。

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