【事例研究】バンテリンドーム ナゴヤ — 命名権料は非公表、分かっていることを整理する
「ナゴヤドームの命名権はいくらなのか」という疑問には、先に答えを書きます。金額は公表されていません。中日ドラゴンズの本拠地ナゴヤドームは、2021年1月から「バンテリンドーム ナゴヤ」の愛称になりましたが、契約した興和も球場側も命名権料を明らかにしていません。ここでは、公表されている事実と、ほかの球場の金額から分かることを整理します。
公表されていること
| 施設 | ナゴヤドーム(名古屋市東区)。1997年3月開場 |
|---|---|
| 愛称 | バンテリンドーム ナゴヤ |
| パートナー | 興和(名古屋市に本社を置く医薬品などのメーカー) |
| 最初の契約 | 2021年1月から5年間。2020年12月10日発表 |
| 更新 | 2026年以降も興和との契約を継続 |
| 金額 | 非公表 |
| 特徴 | 1997年の開場以来、初めての命名権契約 |
| 出典 | 日本経済新聞、中日スポーツ |
なぜ非公表なのか
千葉マリンスタジアムや宮城球場は自治体が所有しているため、契約額が市や県から発表されます。ナゴヤドームは民間の会社が所有・運営する球場で、契約は企業同士のものです。公表する義務がなく、金額は当事者が決めたときだけ明らかになります。京セラドーム大阪やベルーナドームも同じ理由で非公表です。
ほかの球場の公表額
| 球場 | 金額 | 所有 |
|---|---|---|
| エスコンフィールドHOKKAIDO | 年5億円超(2020年〜、10年超) | 民間(球団側が発表) |
| ZOZOマリンスタジアム | 年4億円(2026年12月〜、前契約は年3.1億円) | 千葉市 |
| 楽天モバイルパーク宮城 | 年2億100万円(2023〜2025年) | 宮城県 |
プロ野球の本拠地で金額が分かっている契約は、年2億〜5億円の範囲にあります。ドーム球場で収容人数も多いナゴヤドームがこの範囲から大きく外れるとは考えにくいですが、実際の金額は公表されていないため、断定はできません。
商品名を付けたことの意味
愛称は社名の「興和」ではなく、商品ブランドの「バンテリン」です。試合のたびに商品名がニュースや中継で繰り返されるので、商品の広告として直接効きます。社名を出す命名権と、商品名を出す命名権では、狙う効果が違います。ZOZOマリンスタジアムも、当時の社名ではなくサービス名を付けた例です。
この事例から学べること
- 金額を調べるとき:自治体が持つ施設は公表されることが多く、民間が持つ施設は非公表が多い。相場を見るなら自治体所有の施設の数字を使う
- 買う側:社名と商品名のどちらを付けるかで効果が変わる。認知を上げたい対象を先に決める
- 売る側:開場から20年以上たった施設でも、命名権は新しく導入できる


